危険物の試験では、単体での性質だけでなく、「複数の物質が混ざったときの危険性(混合危険)」や、「細かい粒子が引き起こす大爆発(粉塵爆発)」についても出題されます。
これらは事故に直結する知識のため、試験でもかなり重要視されるでしょう。今回は、それぞれの発生メカニズムと試験に出る重要ワードを解説します。
混ぜると爆発!?「混合危険」
混合危険とは、2つ以上の物質が混合、または接触することによって、発熱・発火・爆発などの危険な反応を起こす現象のことです。
試験では「どの類とどの類を近づけると危険か」という、危険物の「類別(1類〜6類)」を絡めた問題が頻出します。
① 試験に出る!危険な組み合わせのパターン
基本的には、「酸素をたっぷり含んだ物質(酸化性物質)」と「燃えやすい物質(可燃物)」が接触すると激しく反応して危険だと覚えましょう。
- 第1類(酸化性固体) + 第2類(可燃性固体)や第4類(引火性液体)
- 第1類は酸素をたくさん持っているため、可燃物と混ぜて衝撃を与えると爆発します。
- 第6類(酸化性液体) + 第4類(引火性液体)などの可燃物
- これも「酸化性 + 可燃性」の超危険な組み合わせです。
- 第5類(自己反応性物質) + 酸や強アルカリ
- 第5類危険物は酸・アルカリ・金属イオンなどにより分解が促進されるものがあります。
② 乙4(第4類)に特化した混合危険の例
- ガソリン+硝酸(第6類): 激しく反応して発火・爆発の危険があります。
- 過酸化水素(第6類) + 有機物(アルコールなど): 酸化反応が急激に進み、発火します。
塵と侮るなかれ!「粉塵爆発」
粉塵爆発とは、空気中に浮遊している可燃性の細かい粉(粉塵)が、点火源によって一瞬で爆発的に燃焼する現象です。
アニメや漫画が好きな人は聞いたことがあるでしょう。
① 粉塵爆発が起こる「3つの条件」
単に粉があるだけでは爆発しません。以下の3つが揃ったときに発生します。
- 可燃性の粉塵が、空気中にちょうどいい濃度で浮遊していること(粉塵雲の形成)。
- まわりに十分な酸素(空気)があること。
- 静電気や摩擦熱などの点火源(火種)があること。
② 【超重要】粉塵爆発を起こす物質・起こさない物質
試験では「次のうち粉塵爆発を起こさない物質はどれか」という問題が非常によく出ます。ここが最大の得点源です。
- 爆発を起こす物質(可燃性の粉)
- 小麦粉、砂糖、コーンスターチ(身近な食品でも起こります!)
- アルミニウム粉、マグネシウム粉、鉄粉(金属の粉)
- 石炭粉、プラスチックの粉
- 爆発を起こさない物質(燃えない粉)
- 消石灰(水酸化カルシウム)、生石灰
- 炭酸カルシウム、岩石の粉、砂
- セメントの粉
すでに燃え尽きているもの(灰)や、不燃性のカルシウム化合物、砂などは、粉塵爆発の原因となる可燃性成分を含まないため、通常は粉塵爆発を起こしません。
粉塵爆発のメカニズム:なぜ塊より粉のほうが激しいのか?
前回の記事で解説した「表面積が大きいほど燃えやすい」という原則が、この粉塵爆発の理由そのものです。
大きな金属の塊や木材の塊は簡単には燃えませんが、細かい粉になると「空気(酸素)に触れる表面積」が桁違いに大きくなります。そのため、ひとたび火がつくと、一瞬で周囲のすべての粒子に火が燃え移り、急激な熱膨張(=爆発)を引き起こすのです。
まとめ
- 混合危険 = 「酸化性(1類・6類)」と「可燃性(2類・4類)」の接触はNG!
- 粉塵爆発の原理 = 粉になることで表面積が爆発的に広がるから起こる。
- 物質の記述問題 = 小麦粉・金属粉は爆発するが、消石灰・セメント・砂は爆発しない!
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