誰もが知っていいる「シンデレラ」の物語。もしその視点が「美しくて可哀想なヒロイン」ではなく、「醜くて意地悪な義姉」のものだったらどうでしょうか。
「アグリーシスター 可愛いあの娘は醜いわたし」は、そんな切り口から、描かれたボディホラー映画です。
グロテスクな描写や痛みを伴うシーンが多いため、万人にオススメできる作品ではありませんが、そういう描写が大丈夫な方はぜひ一度視聴してみてください。
『アグリーシスター 可愛いあの娘は醜いわたし』の基本情報
まずは、本作の基本的なデータはこちら。

| 項目 | 詳細 |
| 劇場公開日 | 2026年1月16日(日本) |
| 製作国 | ノルウェー・デンマーク・ポーランド・スウェーデン合作(2025年製作) |
| 監督・脚本 | エミリア・ブリックフェルト(本作が長編デビュー作) |
| キャスト | リア・マイレン(エルヴィラ役)、テア・ソフィー・ロック・ネス(アグネス役)、アーネ・ダール・トルプ(母レベッカ役)、イサーク・カムロート(ユリアン王子役) |
| 映倫区分 | R15+ |
あらすじ
物語の舞台は、美しいユリアン王子(イサーク・カムロート)が治めるスウェランディア王国。この国の女性たちは皆、王子の花嫁になることを夢見て、日々「美」に磨きをかけています。
主人公のエルヴィラ(リア・マイレン)もその一人。しかし、彼女はふくよかな体型で、口には大掛かりな矯正器具、ぽってりとした鼻を持つ「美しくない」少女でした。母レベッカ(アーネ・ダール・トルプ)の再婚に伴い、新しい家族として迎えられたのは、息を呑むほど美しい義理の妹アグネス(テア・ソフィー・ロック・ネス)。まさに「シンデレラ」の構図の逆転です。
最初はアグネスの美しさに憧れ、仲良くしようとしていたエルヴィラですが、アグネスの父が急死したことで事態は急転直下。無一文になった母レベッカは、なんとしても実娘のエルヴィラを王子の花嫁にするため、娘に対して常軌を逸した「美の暴力」を振るい始めます。
無理やり歯の矯正具を引き剥がし、鼻の形を変えるためにノミで削り、痩せるために「サナダムシの卵」を飲む……。やがて、花嫁候補を集めた運命の舞踏会が開かれますが、エルヴィラはガラスの靴を履くために、さらなる狂気へと足を踏み入れていくのです。
「グリム童話」のルーツ
私たちがよく知っている「シンデレラ」は、ディズニーのアニメーション映画や、フランスのシャルル・ペローが書いたマイルドなバージョンがベースになっています。
ただ19世紀にドイツのグリム兄弟が収集した民話集に収録されている『灰かぶり(Aschenputtel)』には、非常に残酷なシーンが描かれているんですよね。私はこちらを幼少期に読んだことがあったので、映画の展開も納得のいくものでした。
【童話『灰かぶり』における義姉たちの描写】
王子が持ってきた「金の靴」を履くために、義姉たちは母親からナイフを渡されます。
長女は「つま先(足の指)」を切り落として無理やり靴を履き、次女は「かかと」を切り落として靴に足を押し込みます。しかし、靴から血が溢れ出ているのを見破られ、王子に嘘がバレてしまうのです。
北欧ホラーとしての映像美と、ゴシック調の世界観
本作のもう一つの見どころは、北欧映画ならではの冷たくも美しい映像美です。監督のエミリア・ブリックフェルトは、ノルウェー国立映画学校の卒業プロジェクトを発端にこの長編デビュー作を作り上げましたが、その画作りはすでに巨匠の風格を漂わせています。
ノルウェーをはじめとする北欧諸国のホラー映画は、「ミッドサマー」や「ぼくのエリ 200歳の少女」に代表されるように、「静寂や美しさの中で、じわじわと精神を削るような恐怖」を描くのが非常に得意です。
私は北欧作品が好きなので、この作品も世界観が好きでした。
感想
まず、視聴してみて思ったことは、「痛そう」ということでしたね。グロテスクな描写がある映画もみたことがあり、全然大丈夫だとは思っていたんですが、殺人鬼にやられるのと自分から痛みに向かっていくのはまた少し違う感じというか。
主人公が美しくならなきゃ、とどんどんエスカレートしていく様はみていて切ない気持ちも覚えました。見た目の美しさが全ての世界ではこうなってしまうんですかね。
あとみんなが王子を射止めようとしていましたが、王子の性格はあまり良さそうじゃなかったですね。シンデレラも完璧な子ではないというか。
主人公の妹だけなぜかとてもいい子でした。最終的にハッピーエンドだったのは少し意外でしたが、この主人公には幸せになってほしかったので良かったかな、と。やはり環境が人を狂わせるんですね。
主人公も悪い子ではないところが、また報われないというか映画としてよくできていたと思います。
前述のミッドサマーとか好きな人は好きでしょうね。演劇とかだと結構ある視点かとは思うので、演劇経験者がみてみるのもいいと思いました。
個人的にはリピート視聴もありです。
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