毎日の生活の中で、「なんだか最近、天引きされるお金が増えたかも?」「病院の窓口で払うお金が少し変わった?」と感じることはありませんか?私は、買い物に出かけて3,000円ぐらいかな〜と思ったら5,000円を超えて衝撃を受けることがよくあります。
実は私たちの生活を支えている「社会保障制度(年金、医療、介護、子育て支援等)」は、定期的に見直しが行われています。
2026年度に変更があるものもありますので、今回はそちらをまとめてみようと思います。
- 【子育て】新設される「子ども・子育て支援金制度」ってなに?
- 【医療】約30年ぶりの大幅アップ!「診療報酬」の改定
- 【介護】異例のタイミング!「介護報酬」の前倒し臨時改定
- 【年金】もらえる額の増加と、パートで働く人の「適用拡大」
- まとめ
【子育て】新設される「子ども・子育て支援金制度」ってなに?

2026年4月から新たにスタートしたのが「子ども・子育て支援金制度」です。ニュースなどでも大きく取り上げられているので、耳にしたことがある方も多いかもしれません。巷では「独身税」と言われているものですね。
どんな制度なの?
一言でいうと、「日本の未来を担う子どもたちを、社会全体で支えるための大きな貯金箱を作る制度」です。 現在、日本は深刻な少子化に直面しています。そこで、児童手当の拡充や育児休業給付の増額など、子育て世帯をもっと強力にサポートするための財源(お金)が必要になりました。そのお金を、働く世代や企業から少しずつ集めようというのがこの制度の目的です。
私たちの負担は?
このお金は、毎月払っている「健康保険料」に上乗せされる形で集められます。
- 段階的なスタート: 2026年度からいきなり満額集めるのではなく、負担が急激に増えないように配慮されています。2026年度は全体で約0.6兆円、2027年度は約0.8兆円、そして2028年度に約1兆円へと、3年かけて段階的に引き上げられます。
- 免除ルール: 産休や育休を取っている期間は、この支援金の支払いも免除されるという、健康保険と同じ仕組みとなっています。
【ポイント】 2026年の5月(4月分の保険料)から、お給料の明細を見ると健康保険料の項目が少し上がっていることに気づくはずです。これは「日本の未来への投資」として使われるということになっています。健康保険料に加えられているのでわかりづらいです。
- 参照元: こども家庭庁
- リンク:https://www.cfa.go.jp/policies/kodomokosodateshienkinseido#1
- ※「子ども・子育て支援金制度」の具体的な徴収額の推移や最新の決定事項は、こども家庭庁の「こども未来戦略」関連ページにて随時更新されています。
【医療】約30年ぶりの大幅アップ!「診療報酬」の改定
次に関わってくるのが、私たちの「医療」に関するルール変更です。2026年度は「診療報酬(」が大きく改定されます。
診療報酬とは?
診療報酬とは、簡単に言えば「病院や薬局の価格表」のことです。私たちが風邪をひいて病院に行き、診察を受けたり薬をもらったりするときの値段は、国が全国一律で決めています。これを原則2年に1度見直すのですが、2026年度はこの見直しが行われる年です。
今回の改定の注目ポイント
今回の改定では、医療機関のベースとなる報酬(本体部分)が「プラス3.09%」と、約30年ぶりの高い水準で引き上げられました(※薬の価格などの引き下げを合わせると、全体ではプラス2.22%の改定となります)。
なぜここまで大きく引き上げたのか?理由は主に2つあります。
- 医療従事者のお給料アップ: 物価が上がり続ける中、私たちの命を最前線で守ってくれているお医者さんや看護師さんたちのお給料をしっかりと上げるためです。「ベースアップ評価料」という新しいルールが作られました。
- 医療DXの推進: マイナンバーカードを健康保険証として使うシステムの整備や、電子カルテの普及など、医療現場をハイテクにして待ち時間を減らしたり、ミスを防いだりするための費用に使われます。
【ポイント】 病院側の収入が増えるようメニューの価格が上がるため、巡り巡って私たちが病院の窓口で支払うお金(3割負担など)も、数十円〜数百円程度、少しだけ高くなる可能性があります。しかしこれは、地域の病院が潰れずに、私たちが安心して質の高い医療を受け続けるための「維持費」とも言えます。病院の経営を見たことある方はわかると思いますが保険診療の病院は経営が大変なのです。
- 参照元: 厚生労働省(中央社会保険医療協議会)
- リンク:中央社会保険医療協議会 議事録・資料(https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-chuo_128154.html)
【介護】異例のタイミング!「介護報酬」の前倒し臨時改定
高齢者の方や、ご家族の介護をしている方にとって重要なのが「介護保険」です。介護サービスの価格である「介護報酬」は、通常は3年に1度見直されます。
しかし、2026年度は「臨時改定」が6月に行われます。
なぜ臨時の改定をするのか?
ズバリ、「介護現場で働く人たちのお給料を今すぐ上げるため」です。介護の仕事はとても大切なのに、他の業界と比べてお給料が上がりにくいという課題がありました。そこで国は次回の定例改定を待たずに、2026年に「プラス2.03%」の報酬引き上げを前倒しで決断したのです。
これにより、介護スタッフ全体で月に約1万円、さらにICT(タブレットやロボット)を使って業務を効率化した施設には最大で月1万9,000円の処遇改善(お給料アップ)が実現します。また、これまで対象外だったケアマネジャーや訪問看護師などもこの恩恵を受けられるようになりました。
同じ福祉ですが児童領域の給料はなかなか上がりません。なぜでしょうね。
介護保険料への影響は?
介護の質が上がり、働く人が増えるのは素晴らしいことですが、その分のお金は私たちが毎月払う「介護保険料」から出ています。この改定等の影響もあり、40歳から64歳までの人が払う介護保険料は、全国平均で月額6,360円を超える見込みとなっています。
【年金】もらえる額の増加と、パートで働く人の「適用拡大」
最後に「年金」の話題です。年金は老後の生活の柱ですが、2026年度にも重要ものが2つあります。
トピック①:年金支給額のアップ
2026年度の年金額は、昨今の物価の上昇やお給料の上昇に合わせて引き上げられました。具体的には、国民年金が前年比でプラス1.9%、会社員が加入する厚生年金がプラス2.0%の増額となりました。 物価が上がっている分を少しでもカバーできるよう、受給されているシニア世代にとっては嬉しいニュースです。
トピック②:社会保険の「適用拡大」と負担軽減の特例措置
アルバイトやパートで働いている方に大きく関わるのがこちらです。 国は現在、短時間労働者(パートなど)でも、条件を満たせば会社の「厚生年金」や「健康保険」に加入できるルール(適用拡大)を推し進めています。これに加入すると、将来もらえる年金が増えたり、病気で休んだ時に手当がもらえたりとメリットがたくさんあります。
しかし、「社会保険に入ると、天引きが増えて手取りが減っちゃうから嫌だ…」という声(いわゆる年収の壁問題)が多いのも事実です。
そこで2026年度の改定に合わせ、「最大3年間は、働く人の保険料負担をドンと減らしますよ」という特例措置が用意されています。 通常、社会保険料は「会社:働く人=50%:50%」で半分ずつ負担します。しかし、この特例を会社が利用した場合、例えば「会社が70%、働く人が30%」のように、一時的に働く人の天引き額を抑えることができます(会社が多く払った分は、後から国が補助してくれます)。
【ポイント】 パートで働いていて「手取りが減るのが心配」という方は、勤務先がこの特例制度を活用する予定があるか、一度相談してみるのがおすすめです。
- 参照元: 厚生労働省(年金額の改定 / 社会保険適用拡大)
- リンク①(年金全般):日本の公的年金(https://www.mhlw.go.jp/nenkinkenshou/)
- リンク②(適用拡大):社会保険適用拡大特設サイト(https://www.mhlw.go.jp/tekiyoukakudai/)
まとめ
読者の皆様の頭の中を整理するために、よくある疑問をQ&A形式でまとめました。
Q. 結局のところ、私のお給料の手取りは減るの?
A. 健康保険料に「子ども・子育て支援金」が上乗せされるため、少しだけ天引き額が増え、その分の手取りは数千円単位で減る可能性があります。そのお金は児童手当の拡充など、社会全体の子育てサポートに回っています。また、会社のベースアップ(賃上げ)の波に乗れれば、トータルでの手取りは増える可能性も十分にあります。私は中小企業に厳しい未来が見えます。
Q. 病院に行く回数を減らしたほうがいい?
A. 診療報酬が上がり、窓口での負担額が数十円から数百円程度上がることが予想されます。しかし、お金を気にして必要な治療を遅らせては元も子もありません。定期健診をしっかり受けて「大きな病気を予防する」ことこそが、結果的に一番の節約になります。
※本記事のデータや制度内容は2026年5月時点の厚生労働省およびこども家庭庁の発表等の一次ソースに基づいて作成・ファクトチェックを行っておりますが、ご自身の状況に合わせた正確な負担額等については、お勤めの企業や自治体の窓口にご確認ください。
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