🔍 発達過程論と発達段階論の違いと関係
◆ 発達過程論とは
発達過程論(Developmental Process Theory)とは、人の発達が一定のプロセス(過程)を経て進行するという視点のことです。段階に明確に分かれるとは限らず、連続的・柔軟な変化を重視します。
- 発達は直線的でなく、後戻りや揺らぎもある
- 環境や文化、経験の影響が大きい
- 個人差を尊重する視点
例として、ワトソンやスキナーの行動主義的発達論、ヴィゴツキーの社会文化的発達理論、ブロンフェンブレンナーの生態学的発達モデルなどがあります。
◆ 発達段階論とは
発達段階論(Developmental Stage Theory)とは、発達を明確な「段階(ステージ)」に分けて捉える理論です。各段階にはそれぞれの課題や特徴があり、一定の順序で進むと考えられています。
- 順序性のある構造的な発達観
- 各段階に固有の課題が存在する
- 段階を飛ばして進むことはできない
代表的な理論は以下の通りです。
| 理論家 | 焦点 | 代表理論 |
|---|---|---|
| ジャン・ピアジェ | 認知発達 | 認知発達理論(感覚運動期〜形式的操作期) |
| エリク・エリクソン | 心理社会的発達 | ライフサイクル理論(8段階) |
| ジークムント・フロイト | 心的エネルギーの発達 | 精神分析的発達段階(5段階) |
| ローレンス・コールバーグ | 道徳性の発達 | 道徳性発達段階(3水準6段階) |
◆ 比較:発達過程論 vs 発達段階論
| 比較項目 | 発達過程論 | 発達段階論 |
|---|---|---|
| 視点 | 連続的・柔軟な変化 | 構造的・順序的な段階 |
| 個人差 | 重視する | 一般的傾向をモデル化 |
| 理論家 | ヴィゴツキー、ブロンフェンブレンナー | ピアジェ、エリクソン、フロイト |
| 主な応用 | 教育・社会的支援・環境調整 | 発達診断・教育段階の設計 |
◆ 両者の関係と使い分け
発達過程論は「発達をどう捉えるか」という枠組みであり、発達段階論はその中のひとつのモデルとして位置づけられます。
たとえば、保育や教育の現場では「発達過程論で子どもの個性を観察しつつ、段階論で課題の理解を深める」など、両者を補完的に使うことが可能です。
◆ まとめ
- 発達過程論は、発達を柔軟で個人差あるプロセスとして理解する枠組み
- 発達段階論は、明確な順序と構造を持つ発達モデル
- 両者は対立せず、観察・支援・教育などにおいて相互補完的に活用される

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